大判例

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新潟家庭裁判所高田支部 事件番号不詳 判決

本籍並に住居 新潟県東頸城郡牧村大字小川三、四四三番地

飮食店業 高橋タケノ 明治四十年四月十三日生

主文

被告人を罰金一万円に処する。

右罰金を完納しないときは金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

被告人は新潟県東頸城郡牧村大字小川に於て市川屋という飮食店を開いているものであつて高田市○○四丁目○○○番地の一○原○治の長女○美○昭和十三年十二月十三日生れをその営業上の女中として雇用しもも子という仮名で働かせていたが○治の屡々の求めにより渡した前貸金が嵩んできたのでその回収のため昭和二十九年十一月頃同女に対しお客をとれば借金も早く済すことができると云つて同女が売淫をするように仕向け因つてその頃から昭和三十年四月頃までの間で同女が病気等で他出していた一月二月を除いた期間に同女が当時十八歳未満のものであることを知るに拘わらず同女をしてその客室で○井○二外数名の不特定の遊客に売淫をさせそれ等のものから金五百円乃至千円の報酬を直接受取つてその幾分を返金に繰入れるとともにその余を被告人の取得としたものである。

右事実は以下の証拠を綜合してこれを認めた。

1、○原○美○の検察官に対する第一、二回供述調書

2、木沢ミサヲ、二見美枝子のそれぞれ検察官に対する供述調書

3、○井○二の検察官及び司法警察員に対する各供述調書

4、被告人の検察官に対する供述調書

5、被告人の当公判廷の供述

被告人の所為は畢竟雇傭関係を利用して十八歳未満の児童に売淫をさせたのであるから一括して児童福祉法第六十条一項第三十四条一項六号に該るとともに新潟県売いん等処罰に関する条例第三条にも該る。それで刑法第五十四条一項前段第十条により重き児童福祉法違反の刑を以つて処断することになるのでその所定刑中罰金刑を選択しその罰金額内に於て罰金一万円を量定する。

そして刑法第十八条によりこれが不完納の場合の労役場留置期間を金二百円を一日に換算すべきものと定める。訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一条により被告人の負担とする。

仍て主文の通り判決する。

(裁判官 河端清)

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